ビンセントがムスィウ・ルブルーというペンネームを選んだのは、ブリュノ・デュモンの『プティ・カンカン』シリーズを観て、風変りなプロフィールを持つ1人の登場人物が気に入ったからです。ビンセント本人は間もなく40歳になりますが、デジタル創作ツールを駆使してウェブサイトとビデオやムービーの画像イメージを制作する仕事を続けています。
2年前、彼は絵を描き、創作し、自分の手で製作して、「目に見える」物を作ろうと決意しました。ポップ・アートとベクトル幾何学からインスピレーションを得て、子供の頃の思い出、ゲーム、そしてスニーカーに対する思い入れを加味した作品を作っています。このスニーカーへの熱い思いから、やがて伝統的なスニーカーを素材として色彩豊かなパズルを制作するようになりました。そしてそれは単なる始まりに過ぎなかったのです。
伝統的なスニーカーからパズルを構成する、というコンセプトが生まれた経緯について、詳しく話してもらえますか?
パズルのアイディアは私が制作の中で新たに使うようになったスタイルから生まれたものです。レーザーカット法により創作物の量感を引き出そうとしているのですが、その基本的なやり方はこうです。まずコンピュータでひな型を作成します。それから(木の)素材にレーザー加工します。
スニーカーの輪郭とスニーカーの構成要素とを分けます。
黒の輪郭線よりも構成要素に厚みをもたせることで、レリーフ効果と陰影を出します。カスタム作業を終えたら各ピースを白く塗り、カスタマイズされたスニーカーのPOSCAの色が目立つようにします。陰影をつける輪郭は黒くしてレリーフ効果を強めます。
ワークショップについてもう少し詳しく話していただけますか?
それは実にシンプルで、次のように行います。
1/ 参加者にジョーダン1、アディダス・スーパースター、リーボック・パンプなどから、パズルのモデルを選んでもらいます。
2/ 参加者に「スターター・パック」を渡します。その中にパズルのピース、そして枠台とするフレームが入っています。スニーカーをこのフレームに組み込んでいきます。それ自体アート作品にもなり、壁に飾ったり、プレゼントにしたりできます。
3/ またワークショップでは、自分のパズルをPOSCAで着色してカスタマイズします。可能性は実に無限大です!
4/ 終了したらスニーカーを枠にはめ、参加者はそれを持ち帰ります。
このワークショップでは、合計1,250ピースを着色しました。そして全てのパズルをまとめてイベント・パックとしました。これは大仕事でした!
最後に、スニーカーをどれか1つだけカスタマイズするとしたら、どのモデルを選びますか?
私自身が熱烈なスニーカー愛好者なので、候補はたくさん思い浮かびますが、1つ選ぶとしたらエアフォースワンですね。それは幅広い表現を可能にしてくれます。またオーラも感じさせます。
色の中では特に蛍光色が好きで、私の作品では蛍光色を多用しています。またこれに関係するカスタム・プロジェクトにも取り組んでいます。 もうすぐ準備が完了しますので、引き続きこまめにチェックしてください!