「レシプロシティ」はデザインをテーマにしたイベントです。2018年度はベルギーのリエージュで10月5日から11月25日まで開催されました。 このイベントでは展示会、会議、ワークショップが実施され、専門家だけでなく興味のある人なら誰でも参加できます。
このイベントに向け、NNスタジオのグラフィックデザイナーが、画像、インタビュー、エッセイにより展覧会を紹介する本を制作しました。 その作の様子を撮影したビデオを見た私たちは、ロボットにPOSCAを使わせて本の表紙を仕上げているのが大変面白いと思いました。
スタジオの創始者の1人ピエール・ギーツが質問に答えてくれました:
ロボット(専門用語で言うCNC*)そしてPOSCAを使って本の表紙を仕上げたのはなぜですか?
私たちのスタジオは出版業務に積極的に関わっています。具体的にはイラスト入りのコーヒーテーブル・ブックとアーティストブックの制作に力を入れています。プロジェクトの規模によっては印刷業者や製本業者に委託しますが、部数の少ない本は自社で制作しています。
産業化が進んでいる部門では、自社のプロジェクトを差別化して注目を集めようと、付加価値のある製造手法を常に摸索しています。 “
そこで、産業生産方式(印刷業界では大規模な印刷所の製造ラインのオートメーション化に多額の投資をしています)と、「自分の手で作った」本との間に生まれる緊張関係に着目しました。“これはリエージュのファブラボでは、POSCAを使って描画制作を行っていたからです。
ある意味、私たちは通常の本作りの方法を「ハッキングした」とも言えます。つまり、カタログを1つ1つ違うものしようとする中で、私たちが興味を持ったのが、「微細な欠陥」(機械の躊躇、POSCAの損耗)なのです。
[*CNC : *CNC=コンピューター数値制御:様々な素材に描いたり、彫刻したり、彫ったりするのに用いる、コンピュータ制御された工作機械]
*なぜ手書きにしなかったのですか?
1000部を制作するのですよ!短い期間内に仕上げるのは不可能です。このカタログ制作では、全ての画像、印刷、POSCAを使った描画制作、そして製本の全てを、2週間で終える必要がありました。
それは技術的にも事業計画面でも極めて困難なことです。
さらには、描画とグラフィクスの世界で通常使用されているPOSCAを、ロボット・モードで使用するのはとても面白いと思ったのです。