ナデージュ・ドーヴェルニュは新たな合同展覧会Je me souviens (『私は覚えています』)に出展しています。この展覧会では、多種多様な経歴と技術を有するアーティスト30名以上による、子供時代の思い出を描いた作品が紹介されています。この展覧会に向け、ナデージュ・ドーヴェルニュは、長年コラボレーションによるコラージュを続けてきた経験に基づき、あらたな一連の作品の制作に取り掛かりました。その中で、カラフルな点と線を熟練の技で巧みに配置し、日常的なものを極めて存在感のあるものとして表現しています。「思い出」の中の大切な瞬間を、ナデージュはその巧みな技術で見る人に伝えます。
博物学との出会い
私は子供の頃から絵を描いてきました。そしてある日POSCAに出会いました!グラフィックアートと美術を学んだ後、自然に対する情熱と絵に対する思い入れの両方を適えてくれる仕事として、自然史博物館の仕事に少しの間携わりました。その後、科学に関わる絵を描くうちに、自分の描画の才を活かして、リアリズムに徹した独自の描き方を極めていきました。
視覚的混合とバーチャルパレット
POSCAを使った冒険は2009年に始まりました。その時から私はPOSCAを使ってアクリル画の細部を描き、文字を書き入れています。当時私は従来の絵画のイメージと広告のイメージとを組み合わせて制作していました。実験的な試みをするとき、私は必ず実物をモデルにします。それは自分の観察の正確さを評価するのに役立ちます。そして視覚的混合による新たな芸術の可能性を広げてくれるのが、POSCAなのです。
創作上の制約
当初それは制約のようなものでした。色が足りなかったので仕方なくこうした描き方をするようになったのですが、それ以来ずっとこの方法を使い、今では私の作品の特徴のようにもなっています。極細芯を使って極めて細かい部分を描くことで、従来の絵画のような効果を出すことができます。そして太芯を使うことで、より自由な「絵」に挑戦することも可能です。どちらの場合も、色はくっきりと明るく、かつ不透明であるため、私が求める質感を出すことができます。最近になって厚紙をバックに使う方法を見出しました。既に着色されている厚紙の上に、POSCAで自由に、そして滑らかに描くことができます。