自然、虫、そして発見
オード・ヴィルルージュの処女作が出版されたときのインタビューで、彼女がこれから取り組もうとしていること、目標、そして現在取り組んでいる様々なことについて語ってもらいました。緑色についてのことだけでなく、オードは自分にインスピレーションや影響を与えてくれるもの、ジャクリーヌ・デュエムとの出会い、レスト・デュ・クールのグリーティングカードの制作、そして植物のプロジェクト、虫の寓話集についても話してくれました。
*虫の寓話集
色塗り、夢
オード・ヴィルルージュの処女作は白黒で描いた虫の描画コレクションです。色の有無に関わらず、どの絵もしっかりとした筆致で緻密に描かれています。2019年11月1日にソロ・マ・ノン・トロポから出版される予定で、記念の書籍サイン会もパリの書店で行われます。来場者はオードと話したり、サインのように絵をもらうことができます。
Les Éditeurs Associés – 11, Rue de Médicis – 75006 Paris
インスタグラムのアカウントの略歴では「ノマド・イメージ・クリエーター」と名乗っていますが、そのコンセプトについて話してもらえますか?Instagram
それは偉大なフランスのイラストレーターで、現在91歳のジャクリーヌ・デュエムに由来します。 昨年夏に パリのフォルニ図書館で開催された彼女の回顧展でお話しする機会をいただきました。そこである1枚の絵の説明文が私の心を捉えたのです。「イラストレーター?その言葉は好きではないわ。それは私には似合わないとエリュアールに指摘されたのよ。それは使うべきではない、と言って、『イメージ・クリエーター』という呼び名を考えてくれたの!それがとても気に入ったわ。私はイメージに形を与えるの。」
その言い方はとても素敵で、まさにその通りだと思いました。確かに私たちはイメージを創り出しているのです。彼女と話す機会が得られたのは、まさに素晴らしいことでした。その少し後でスケッチ旅行に出かけ、そのとき「ノマド・イメージ・クリエーター」と名乗ろうと思ったのです。これはまさに私に取って重要な名称で、その後私が選ぶことややりたいことに大きく影響しました。
自分の作品をどのように説明したいですか?何に影響されましたか?
活動の中心は世界各地の動植物を描くことです。例えば鳥の絵を描き、その羽根のパターンを細かく描写します。特に力を入れているのは絶滅危惧種を描くことで、それを通じてもっと深いメッセージを表現したいと思っています。最近ある商店のディスプレーをPOSCAで描いたのですが、センザンコウ、アリクイ、カワウソといった絶滅危惧種を含めた絵を描き、危機感が伝わるようにとしました。
私はエマニュエル・ハウダートの作品が大好きです。彼女は何冊か本を出していますが、私と同じように1つのモチーフに取り組み、これも私が行っているように黒で輪郭を描いて言います。 スパキッチ&コーラリの作品もお気に入りで、作品の見せ方も描かれているジェスチャーも素敵だと思います。 私にとってモチーフとはジェスチャーのようなもので、彼女たちのように描きたいと思っています。制作は細心の注意を払って行い、繰り返し描いて技術を極めていきます。
社会的な活動や環境保護活動にも携わり、特にレスト・デュ・クールの活動に取り組んでいますね。
はい。2019年にそのグリーティングカードを制作しました。友人がその渉外チームのメンバーなので、チャリティイベントのために、もちろん無償でカードを制作したいと話したところ、受け入れてもらえました。カードには雄ジカを描きました。雄ジカはその枝角が毎年生え変わることから、再生の象徴とされています。角が枝分かれしている箇所を描くことで、レスト・デュ・クールが行っている、フードバンクに止まらない様々な活動を表現しました。そのグラフィックアイデンティティを尊重し、ロゴを描き加えました。
イラストレーターとして身を立てる機会が得られた今、何か目的を持ちたいと思っているので、意義があると感じる活動にボランティアとして参加しています。グリーティングカードの制作に携わったのは大いに充実感を抱かせてくれる経験でした。ただ絵を描いただけですが、とても楽しい時間が持てました。
私はまた環境にも大きな関心を抱いているため、「絵でパリをもっと緑に使用」というプロジェクトを立ち上げました。その手始めとして、レピュブリック広場でラ・リューシュ・キ・ディ・ウイが主催したシャンゼリゼ通りのサプライズイベントでのピギーバックに参加しました。丸1日キャンバスに植物がを描いたのですが、道行く人々からとてもよい反応を得ました。このテーマに興味を示してもらえてとても嬉しく思いました。コンクリート一色の街に新鮮な風を送り込みたいと思っています。こうした分野の可能性は、まさに無限であり、賛同する人が増えることで、このプロジェクトはさらに広がっていくでしょう!
別の写真では、浜辺で石油缶をカスタマイズしていますが…
はい。POSCAのウェブサイトでこの非営利団体のことを知りました。そしてこれは素晴らしい、とても楽しい活動だと思ったのです!このアイディアに心から賛同しました 石油缶を手に入れ、自分仕様にアレンジして、それを持って浜辺でごみを集めるのです。私は昨年夏の休日にバツ=シュル=メールでこれを行いました。
また11月始めにあなたの本が出版されましたが、これにはどのように取り組んだのですか?
まず偉大な作品であるジャン・ド・ラ・フォンテーヌの動物寓話のイラストを白黒で描くことから取り掛かりました。これはとても内容豊かな本で、登場するのはほとんどが動物です。自然と直接関係していることから、私はこのプロジェクトに興味を持ちました。この寓話のイラストを出版社ソロ・マ・ノン・トロポに見せたところ、「コウロギとアリ」の絵を気に入ってもらえました. そして虫の寓話集の出版を提案してもらいました。私は虫が大好きですが、虫も絶滅が危惧されています。このプロジェクトが環境とエコロジーへの関心を高めることに繋がればよいと思い、処女作として「虫の寓話集」を出版することにしました。
これからやってみたプロジェクトはありますか?
私はアンデルセンの童話が好きなのですが、何年も前から是非イラストを描きたいと思っている物語があります。それは『羊飼いの娘と煙突掃除人』というタイトルです。羊飼いの娘と煙突掃除人というのは彫像で、周りに人がいなくなったときだけ世間に出ることができます。この童話を原作としてグリモー&ペレヴェールはアニメ映画『王と鳥』を制作しました。私は幼い頃この映画を見て、大好きになりました。私にとって大切な参考資料のようなものです。
また、ずっと前からイラストを描きたいと思っているネイティブ・アメリカンの物語もあります。これはピエール・ラビによるハチドリの物語で、山火事の話です。他の鳥は逃げていってしまうのですが、小さなハチドリだけは川に飛んでいって川の水を一滴持ち帰り、火の上から落とします。それを見た他の鳥も同じようにします。そうやって各々が自分のできることをした結果、火を消すことができたのです。
緑色を大いに使っていることが、あなたの絵の特徴ですが…
幼い頃から緑色が大好きでした。それはおそらく、元々の色ではないにしても、緑は自然の象徴からです!クロロフィルというのは素敵な言葉ですね。これは細かいことですが、私はいつも自分の絵に登場する人物や動物の目を緑で描いています。そして緑を目立せるため、その補色である赤を使います。そうすることで強いコントラストを出すことができます。POSCAで私の一番好きな色はシーグリーンですが、これはコーラルグリーンと同時に発売されましたね。私はまた赤と緑のものを集めています。今日私が着ているのも緑と赤のシャツですよね!